2018年11月28日水曜日

Ender-3x:ABS+との戦い

3Dプリンタにはテスト用のPLAのフィラメントが少しだけしか同梱されていないようだったので、本体と一緒にフィラメントもポチりました。

Amazon SUNLU ABSplus

以前仕事で3Dプリンタを使用していた際にはABS樹脂でやっていてPLAは使ったことがなかったので、なれているABSを使いたいなーと思ったんですね。
PLAはベッドに対する食い付きがいいとか反りが無いとかいうのも聞いていて、いいな、と思っていたんですが、硬いので造形後の補修が困難と聞いて、とりあえず最初はABSかな、と。
ですが、

これ、ABSplusだったんですよ。

一応amazonの商品説明は読んだんですが、レビューの方はろくに読んでいませんでした。これがまずかった。
基本特性はABSと同じで、造形後の生成物は温度に強め、という程度のものかと思ったら、商品説明に記載されていた

推奨押出/ノズル温度220°C - 240°C(446°F〜460°F)っていうのがウソ(間違い)

で、実際は 260~280℃ らしいんですね。レビューによると。現時点でもサイトの情報修正されてないんですけど……。

で、Ender-3(X)のノズル温度のスペック上の最大値が255℃なんです。
さらに、ノズルまでフィラメントを誘導するチューブの耐熱温度が素材的に250℃という情報もありました。さらにさらに、温度を検出しているサーミスタのバラツキ(10℃前後?)を考えると、設定温度としては240℃が最大じゃないか?という情報も。

遅れ馳せながら読んだ他のレビューによると、240℃設定で上手くいっているという事例もあるようですが、結論としてはウチのプリンタでは 

  • ノズル255℃、ベッド110℃
  • 3Mのシートをベッドに貼る
  • ダンボール(3Dプリンタ自体が入ってきたamazonの箱がちょうどいいサイズ)で保温
  • ノズル移動速度最大値を60mm/sに設定
  • ベッドにラフトを生成する設定

してようやく実用レベルになりました。でも100%じゃない。ここまでやってもたくさんのタワシや底面が反った生成物がたくさんできました。ちょっと……実用に値しない。こんなところで足踏みしていられないのにー!
ということで、PLAか?やっぱりPLAが必要なのか?と、Amazonを探し始めたのですが、そこでちょっとだけお高いけど良さげな素材のフィラメントを見つけました。

SUNLU PETG 3Dフィラメント1.75mm 1KG


  • ノズル240℃、ベッド100℃(80℃だと失敗した)
  • (3Mのシートはそのまま使用)
  • オープンエア(保温ボックスなし)
  • (ノズル速度は60mm/sのまま)
  • ベッドにラフトを生成する設定なし

これでなんの問題もありません!
正直粘性が高いということなのか、糸ひきはスゴイです。ですが、下の写真のように空中に浮かんだような部分も、サポートなしでもほとんど問題なしに作成可能です!
手前側がベッド側。深さ15mm、幅30mm、高さ15mmの凹形状ですが、
流石に少し表面が荒れているものの、今回の用途には問題のないレベルでした

試しに手近にあった排水管の規格に合わせてネジを作ってみました。
 


なんとあっさりとネジとして機能してしまいました!これはすごい!
(備忘録として、内側のネジ切りの場合、2%ほどサイズを大きくしないとスッとは入ってくれませんでした)

こうしてとりあえずバンバン3Dプリンタを使って物を作れるようになったのですが、どんどん寒くなっていくのを肌で感じているので手遅れになる前に、ということで先に3Dプリンタの保温箱(ダンボールベース)をちょっとしっかりと作り直しています。

最近24時間中16時間可動みたいな感じになっているので、早々に壊れないかちょっと不安w


2018年11月24日土曜日

shapeoko3:ダストシューをどうしよう

そういうわけでダストシューを用意することにしました。まずは下調べ。
既成品もありましたが、

  • 北米にしか売ってない
  • そもそもDewaltばっかでMakita対応がほとんどない
  • 高い

一例。でも参考にさせていただこう

ということでやはり自作か。
またwikiを頼るわけですが、みなさん色々と試行錯誤しながら作られているご様子。
でもやっぱりDewalt優勢

で、CNCフライスであるShapeoko3自身でダストシューを作られている例も多々あったのですが、まあ本末転倒(それを作るのだけを我慢してなんとかする手もないわけではない)。
そもそも制作用の部品の入手について、エンクロージャー作成時にも感じていましたが、ホームセンターと通販でなんとかするのは効率が悪いな、と。
これを一挙に解決する手段として、3Dプリンタの導入を検討することにしました
(大いに自分に言い訳している感は否めません)。

とはいえオカネナーイなので、いわゆる激安プリンタを探すしかありません。

  • 価格上限はフィラメント込み3万まで
  • とにかく筐体剛性が高いこと(これでイタイ目を見たこと有り)
  • PLAでもいいけど、(使ったことのある)ABSが使えたほうがいいな

というわけでamazonやらAliexpressやらを探したのですが、結果2点に絞られました。

GEEETECH 3Dプリンター Prusa I3 Pro B 11/24現在 19,999円(送料込)
Comgrow Ender-3X 11/24現在 24,500円(送料込)

Prusa I3 の方が安いし、できることも多い感じだし、細密な造形ができそうなんですよ。
しかも組み立てをスゴイ細かに描いてくださっているサイトも見つけました。

マーティの工房日誌 様

スゴイ詳細なんですよ。スゴイ詳細で……これは自分にはハードル高いな、と。
というかハードウェアいじり自体を楽しめる(不具合も楽しめる)気概がないとつらそうだな、と思ってしまいました。できれば自分はその先で楽しみたい。いや違う使っていきたい。

というわけでEnder-3(x)をポチりました。中国製だけど倉庫は国内なのであっちゅうまに届き、早速組み立て。結果的に言うと同梱されていたペラ紙(でもカラー)と、USBメモリ内にあった組み立て説明書(結局ちら見だけで読んでない)で問題なく組み立てられたはずなのですが、以下のYoutube動画を見ながら組み立てていきました。大感謝。

激安3Dプリンタを組み立てる(組み立て編)
激安3Dプリンタを組み立てる(調整編)

ハマったところとしては、この動画内でもありますが、既に組み付けられていたテーブルのY軸がなめらかに動作しないこと。他に、X軸がなめらかに動作しないこと、Z軸がなめらかに動作しないこと。

なんだみんななめらかに動作せえへんやん!

上記の動画内ではY軸について、固定しているネジを一旦緩めて締め直したらスムーズに動くようになった、と説明されていますが、実際はテーブルを固定している4本のネジの内2本が偏心ナットというやつで、これでテーブルとガイドレールの調整をしているのでそれらを適切に調整することでなめらかに動くようになります。それを理解しないで緩めただけでは解決しないので注意が必要です。自分も事前にShapeoko3で知らなかったらヤバかった。

X軸に関しても場所は違いますが要領は同じで偏心ナットの調整です。
Z軸に関しては難儀しましたが、一旦Z軸になっているネジロッドとZ軸用ステッピングモーターの結合部のネジをゆるめ、X軸とZ軸の結合部にある、メス側のネジ受けを固定するネジを若干緩めて遊びを作ることで対応できました(この後前述の結合部のネジはしっかり締めました)。ここを締めすぎると長いZ移動のどこかでトルク不足に陥って止まってしまいます。でも使ってたら段々緩んできそうで気が抜けぬ。
元データ

Z軸調整前
Z軸調整後
明らかに反ってますがそのあたりの苦闘は別の回で

それと、メーカーは「仕様」と言い張っていますが、スライサ側からGコードでテーブルとノズルの温度設定を投げているはずなのに、ノズルの方だけ反映されない(0度のまま)ということ。こちらはGコード実行開始『後』、プリンタのコントロールパネルからノズルの温度を設定してやると動き出すことで対処しました。
なんつーか、制御ソフトは色々とありそう。どうやらどこかにソースが公開されているらしいんだけど、ブートローダーがないとかなんとかちょっとめんどくさそうなのでそのうちやれたらやるリストに入れました。

でも色々苦労しました(してます)が、段々出力品質が上がっていくのはちょっと楽しいと思いました。
激安プリンタなのにネジ印刷できるんですよ!
すごくないすか!?(Fusion360もスゴイ)

2018年11月23日金曜日

Shapeoko3:エンクロージャーの作成

さて、前回Shapeoko3の初めての切削として捨て板の加工を行ったわけですが、薄々気づいてはいたものの……

とにかく切削くずがスゴイ!

ということがはっきりわかりました。一応ダンボールで周囲に仕切りをつくったりくらいはしたのですが、部屋の中がとんでもないことになりました。制御用のパソコンは、とりあえずメインで使っているデスクトップを使ったのですが細かな削りカス(というか木の粉末)が降り積もり、掃除しないと電源をいれるのも怖いようなありさまに……。

ルーターなんかは元々木を削りまくるような使い方をするわけだし多分ちょっとやそっとじゃ問題はないと思うのですが、shapeoko3の制御基板や電源なんかもスゴイことになりました。
これは本気で対策しないと好き放題切削できない!と思ったのでまずはエンクロージャー(全体を覆うケース)で対策をしてみることに。

というわけで、まずはエンクロージャーを早速Fusion360で設計してみました。
こんな感じ
中のShapeoko3はwikiにリンクがあったデータだけど
ちょっと古いみたいで細かな違いがたくさんあります
安いベニヤ板をベースに、安い2x4材を使って作りました。結果、スゴイ重い……ちょっと頑丈に作りすぎました。3x4材くらいで柱は組めばよかった。

あとは面のところに透明なビニール袋でも張って完成!、と思ったのですが……
とりあえず完成後にテスト切削してみると、この領域の外にはゴミが出ないものの、中のゴミはスゴイことになり(あたりまえ)、頻繁に掃除が必要そう。さらに各軸を駆動するためのレールやベルトもゴミがスゴイことになってしまいました。これはマズイ。

ということですべての面はビニールを両面テープで貼り付けるという手抜き処理ではなく、取外し可能なフレーム(木製)にビニールを張る形になりました。枠とメインフレームの間は、結露防止用のクッションテープを押し付けることで気密をとりました。フロントは天面とあわせて「パカッ」と開く形のカッコイイ扉にしたかったのですが、蝶番の部分の強度をどうやってとったらいいかわからなくて、結局別の面と同様にはめ込み式です。

いずれにせよ、ダストブーツなる、切削箇所からすぐ掃除機で吸い取ってしまうための吸込口も作る必要があるという結論に達しました。先は長い。




2018年11月21日水曜日

Shapeoko3:捨て板(wasteboard)の加工

Shapeoko3は加工のフィールドがMDF製の板になってます。

これ、切り込みすぎてダメにしちゃったら怖いなあ、とも思いましたが、金属製なんかで同様に切り込みすぎちゃったらどこを壊しちゃうかもわからない(ルーターとかフレーム本体に損傷が行くかも)しれないし、調べてみたら国内でもMDFの板自体は割と安価で入手可能みたいなのでこれで正しいのでした。

3/4inch =約19mm
MDF 21mm

さらに、Shapeoko3自体で加工物固定用の穴加工できちゃったりするわけです。すばらしい。これは一例として公式でも紹介されています。

DIY Shapeoko Wasteboard

公式より

Shapeoko 3 - Hello World とか Carbide-Motion(メーカー製コントロールソフト)で組み立て後の動作確認が済んだら、まずこれをやろう、ということになりました。

上記の公式サイトに切削用のGcodeもあるし、あまりひっかかる部分はないと思うのですが、使用する部品で一個知らなかったのが
  • Threaded inserts (EZ-LOK 800610-13)
というもの。日本語名ではオニメナット(鬼目ナット)というらしいですが、日本国内だと巨大ホームセンターには置いてあるかな?というくらいのものらしく、あっても4個で200円弱(上記捨て板の加工には48個必要)と、オカネナイ自分には結構痛い出費。結論としては、amazonにありました。

亜鉛合金 埋め込みナット M6x13mm 30個

自分が注文したときにはコレの50個入りが488円(送料込み)であったんですけど、ページがなくなってます。品質は、2/48で不具合があったので推して知るべしという感じです。でもとてもとても安いので助かりました。シリーズには炭素鋼製とかもあるのでこっちを使うべきかもしれません。


2018年11月20日火曜日

ステキな3DCADソフトFusion360

Fusion360との出会いは衝撃的でした。

元々大学は機械科で、イラストを描いたりするのが好きで、CG、特に3DCGには興味があり、パソコンの黎明期からこっち、いくつかの3Dモデラーのソフトウェアをいじったりしたのですが、どうもこー、思ったようにモデリングできない。楽しく3Dモデルが作れない。まー、自分にはそういう才能ってのがないんだろうなー、と思ってたわけです。

そんな中、たまたまバナーで見かけた「Fusion360」。
なんでも個人使用なら無料とか。

Fusion360無償体験版
無償体験版となっていますが、ユーザー登録で個人使用または零細企業(?)で登録すると現状フルスペックで使用できます

正直そんなに期待せずにインストールしましたが、、、
恐らく最近で最も自分の生き方を変えることになったソフトとの出会いになりました。

たまたまその時に業務で電子回路のキャビ(ケース)設計のようなことをやる必要がありました。当初は(3DCADで設計できると思っていなかったので)経験のある2DCADで3面図を描いていくつもりだったのですが、Fusion360インストール後、Youtubeに上がっているインストラクション動画で数日勉強しながら触ってみただけで、それっぽいものが3DCAD上で設計できてしまったのです。
さらにたまたま、会社には誰も使っていない3Dプリンタ(数年前のもの)がありました。
拙いものとはいえ自分の設計したものが、すぐに立体として手にとることができる。これは衝撃的なことでした。

その後、7月に行われた Fusion 360 Academy に参加し、そこでたまたま受講したCAMの教室で切削の世界にやられ、ついには安物とはいえCNC工作機(Shapeoko3)と3Dプリンタ(Ender3)を購入してしまうことになるのでした。

お金ないのに。


Shapeoko3の組み立てと注意点

そしてShapeoko3は半月ちょいかかって我が家に到着しました。

組み立てについては、確認用パーツリストと組み立てガイドを作ってみました。一所懸命作りましたので、これが国内のShapeoko3の導入の敷居を下げる一助になれば幸いです。

Shapeoko3組み立てガイド日本語版

組み立て前に、自分のハマった注意点をいくつかお話しておきます。

  • 梱包箱は重くてデカイです(上面65x82、厚さ25cmで上面が開きます)。パーツ置きと組み立て場所が必要ですからその2倍以上の面積を確保しておく必要があります。
  • ほとんどの組み立て用工具はセット内に入っています。
  • いわゆる「ルーター」部分はセットに入っていません。自分はこれに全く気づかず、高い費用と時間をかけて別便で輸入するはめになりました。ちなみにDewaltとMakitaのルーターが取り付けられますが、どちらも日本には(普通は)売っていません。また、日本の工具類はメートル単位系ですが、北米はインチ系であり、国内で入手できるエンドミルを使うためにはΦ6のコレットチャックは少なくとも入手する必要があります。これは国内のマキタで補修用パーツとして購入することが可能です。

運用に関しては別にまとめようと思います。

ふう疲れた。




2018年11月17日土曜日

はじめに

カッコイイ感じで資料をまとめてから始めようと思ったけど、そんなことしてたらいつまでたっても始まりそうもないので行き当たりばったりでも始めてみることにしました。
先日まで電気回路を設計して組み立ててお給料をもらうという夢のような仕事をしていたのですが、どうやら安く請け負う他社に仕事ごと関係先を取られちゃったらしく、君の仕事ないからやめてくれるかな?ってな感じで失職してしまいました。とほほ。

妻と猫2匹の食い扶持を稼がないといけないのですが、いろいろあって普通の職業につくのはやっぱり難しそう、ということで、自宅でできる仕事を考えることにしてみました。

自分ができるかどうかは、おいといて!
なるべくお金をかけず、やりたいことをやってみよう、ということで、
まずはCNC工作機械を買ってみることにしました。

色々調べたんですが

  • 国産のは高いし、できることが狭そう(実際はどっちもそんなことはなかった)
  • 安いのは中国製だけど、サポートが不安だし、他の方のブログを見ているとどうも剛性が足りなくて問題ありそう

ということで、結局 北米のKickstarter発のCarbide3D社のShapeoko3を買うことにしたのでした。
Carbide3D
Shapeoko Wiki

到着までの間にしばらく時間があるので、その間に今後必要になると思った言語とかを勉強することにしました。

  • PHP
  • mySQL
  • 正規表現
  • javascript
  • jQuery
  • CSS
  • HTML...
覚えることいっぱいありますね!とりあえずPHPとmySQLは初心者よりちょっとだけ先にいけたんではないかと思うくらいにはなりました。これでなんか在宅仕事できたらいいんだけども。